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薬局経営

フリーランス薬剤師で人件費削減
今後の薬局経営に求められるものとは

昨今、フリーランス薬剤師という言葉をよく聞くようになったのではないでしょうか。様々な業種で働き方が変化している時代ですが、薬局業界にもフリーランスを導入する流れがきています。今回はそのフリーランス薬剤師を採用することで、薬局経営にとってどんなメリットがあるのかを考えてみたいと思います。

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フリーランス薬剤師とは

まず初めにフリーランス薬剤師とはどういうものかを見ていきます。
フリーランス薬剤師は特定の企業に雇用されずに職場となる薬局と業務委託契約を結び、自身の裁量によって委託業務を遂行する薬剤師です。

【出典】きょうりょく薬剤師

業務委託契約の性質上、業務委託契約書に記載されている業務以外の作業を指示する等、基本的に薬局からフリーランス薬剤師に指示・命令を行うことは出来ません。 一方で、雇用関係ではないフリーランス薬剤師は社会保険の加入や有給休暇付与の対象外となるため、薬局は経営状況や戦略に合わせた適切な人員配置を低コストで行うことができます。

一方で派遣薬剤師とは派遣会社に雇用された薬剤師が、派遣先の指示命令のもと業務を行う働き方になります。

【出典】きょうりょく薬剤師

派遣薬剤師もフリーランス薬剤師同様に、一時的な人手不足を解消する際に採用します。繁忙期や人が足りないときのみ働いてもらうことや、あらかじめ契約期間を決めてられるため、長期的に固定費がかかる正社員雇用のリスクヘッジとして採用することができます。しかしデメリットとして、使用料金が高いことが挙げられます。1時間当たり4,500円(税込)~6,000円(税込)する場合もあり、長期間派遣薬剤師を使用することで経営圧迫を招く可能性があります。また薬剤師の質も様々で、「ただ単に時給が高いから」「人間関係構築が得意ではないから」といった理由で派遣薬剤師をしている層も一定数存在し、どのような人を派遣してもらうか、直接見て選択することができません。

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フリーランス薬剤師を使用するメリット

フリーランス薬剤師を使用するメリットはいくつかありますが、大きなメリットは以下4つです。

  1. ① 即戦力の補充による営業利益拡大
  2. ② 人件費のコントロールによる固定費削減
  3. ③ 労働環境改善による離職率低下
  4. ④ 外部からの意見による仕事効率化

順に詳しく見ていきましょう

① 即戦力の補充による営業利益拡大

薬局運営をする上で繁忙期や在宅件数の増加など、急に人手が足りなくなることはよくあります。
とは言え、中途採用をするにも時間はかかり、繁忙期が終わったからといって雇った社員に辞めてもらうわけにもいきません。そんなときに、即戦力になりすぐに働けるフリーランス薬剤師を採用することで、機会損失を防ぎ営業利益を拡大することが可能です。

② 人件費のコントロールによる固定費削減

薬局を運営するうえで固定費の一番大きな部分を占めるのが人件費です。いかに適正人時を見極めて人材を配置できるかが、運営をしていく上での鍵になります。
「1店舗に薬剤師2名は必要だけど3名はいらない。」といったことはよくあることです。
そんな中、週2回でもすぐに働けるフリーランス薬剤師を採用することで、薬局の固定費を削減できます。

③ 労働環境改善による離職率低下

労働者が転職をする理由のTOP3がこちらです。

  1. 1位:人間関係 53%
  2. 2位:労働環境 47%
  3. 3位:待遇   46%

つまり、人間関係や労働環境が悪い職場の場合、離職率が高くなり、その分新しい人を採用しなければならず、採用コストが増大します。
また長期的に働いてくれる人がいなければ、いつまでたっても安定した薬局経営はできません。
そのような労働環境を改善するためにも社員の長時間労働防止や有給取得促進を行う必要があります。

④ 外部からの意見による仕事効率化

フリーランス薬剤師を採用することで、社外の人からの意見を取り入れることが可能です。今まで「なんとなく」で運営していた部分や、気づかなかった業務効率化を第三者目線で取り入れることが可能になるのです。
これからの時代、処方箋枚数の低下や在宅案件の増加で、いかに生産性を上げて業務ができるかを考えた際に、第三者からの意見というのはとても役に立ちます。

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フリーランス薬剤師専門のエージェント運営者が語る成約までの流れと利用事例

では、実際にフリーランス薬剤師を採用したいと考えたとき、どのようにフリーランス薬剤師を探していけばよいのでしょうか。
また、成約までの流れはどうなっているのでしょうか。

フリーランス薬剤師専門のエージェント「きょうりょく薬剤師」を運営する
株式会社MEDIKLECT 代表 柿間 隼志(かきま たかし)さんにお話を伺うことができました。

「きょうりょく薬剤師」ウェブサイト

フリーランス薬剤師を探す方法は?

  • 柿間さん
  • ご自身で直接フリーランス薬剤師を探す方法とエージェントを通して採用する場合の2つがあります。ご自身でフリーランス薬剤師を探す場合は、探す手間が発生しますし、契約内容をどのようにすべきかを考える必要があります。一方、エージェントを使用する場合は、条件に合った人材を探してくれたり、面倒な契約書の作成等も代行してくれるといったメリットがあります。

エージェントを使用する場合の成約までの流れを教えてください。

  • 柿間さん
  • 私が運営する「きょうりょく薬剤師」では、成約まで下記のような流れになっています。

    1. ① 面談にてサービスのご説明及び希望する人材についてヒアリング
    2. ② 面談時にヒアリングした内容を基に案件票の作成・掲載
    3. ③ 条件にマッチする人材を選定し、薬剤師の紹介・提案
    4. ④ 薬局様・薬剤師様・弊社担当者の3名による商談の場を設定
    5.  ※業務内容や契約条件は、薬局様と薬剤師様の両者間でお打ち合わせいただきます
    6. ⑤ 商談の結果、契約意思の確認、商談成立
    7. ⑥ 契約内容に合わせて弊社が契約書を作成
    8. ⑦ 薬剤師勤務開始

実際どのような薬局が活用され、どんなメリットを感じていらっしゃいますか?

  • 柿間さん
  • 実際に当社を利用していただいた薬局様の声をご紹介いたします。

    N薬局様(群馬県)

    6月からきょうりょく薬剤師のサービスを利用し、3名のフリーランス薬剤師の方と商談を成立させていただきました。
    弊社が望んでいた事は

    1. ① 職員の退職による人員増員
    2. ② 職員の有給取得
    3. ③ 長期休養が必要となった薬剤師の代替人員の確保

    と様々で、それぞれ募集した勤務形態も異なっていたものの、紹介を依頼して早ければ翌日にご連絡をいただき、商談成立まで1週間程度と迅速な対応をしていただきました。
    また、コロナ禍ということでzoomを使用した遠隔での商談も場所や時間を選ぶ事なく、業務終了後や日曜・祝日でも商談が行えた事は非常に助かりました。
    まだまだ馴染みのない『フリーランス薬剤師』ですが、商談時には代表の柿間さんから業務委託契約に関するアドバイスをいただきながら商談を進める事が出来ます。今後も宜しくお願いいたします。

    P薬局様(東京都)

    最初は薬局関連のTwitterで偶然お見かけ致しました。
    事業内容だけでなく、これからの薬剤師業界への想いを拝見し独立を応援したく、Twitterのフォローをその後始めました。
    その後パート薬剤師さん1人だけではシフト調整が難しくなってきました。
    1人薬剤師店舗の為、派遣薬剤師をお願いするには法的なハードルがあり依頼出来なかったのです。
    そこで、以前より拝見させて頂いていたきょうりょく薬剤師様のサービスを利用致しました。

    利用する際、紹介予定の方と予め、オンライン上で面談出来る事でミスマッチを防げる事が紹介者・勤務者・雇用主全てにおいて良かったと思います。また要望や問い合わせに対し、迅速かつ丁寧に対応して頂きとても助かりました。
    実際、紹介して頂いた薬剤師さんも、とても丁寧で優しく仕事も出来る方で店舗を安心して任せる事が出来ました。結果として継続的に業務に入って頂く様に現在はなっております。
    私も曜日が特定されていない子供の学校行事に参加出来る様になり、仕事をフルタイムでこなしつつプライベートも充実させて頂いております。
    今後とも是非、利用していきたいサービスです。

フリーランス薬剤師を選ぶ際に留意すべき点は?

  • 柿間さん
  • 1番の留意点は「自身の薬局に合うかどうか」です。
    これはフリーランス薬剤師の採用だけでなく、社員として採用する場合の留意点でもあります。
    薬局での仕事は1人でするものではなく、その店舗にいる方と協力して仕事を行います。そうなった際に店舗の方と仲良く仕事をしてくれることが非常に重要となります。

    その他には、
    ・スキル
    ・コミュニケーション能力
    等も必要になってきます。

    いずれにしても、フリーランス薬剤師を採用する前の商談で、たくさん質問をして、フリーランス薬剤師の性格や本質を把握された上で採用されるべきです。

    薬剤師業界にも働き方の変化の流れが来ており、従来の運営方法の場合は経営が立ちいかなくなることもあるかと思います。

    正社員・パート・派遣・フリーランスと薬局運営するうえでの人の使い方は様々なので、自身の薬局に合った人の使い方をして固定費を削減していくことが、今後の薬局運営の鍵になってくるかと思います。

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