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薬局経営

雇用や人材開発を後押ししてくれる
薬局で活用できる補助金紹介

地方薬局の集客は減少傾向にあると言われています。ドラッグストアや大型薬局に患者さんを奪われ、死活問題となっている地方の調剤薬局は少なくありません。そこで薬局経営者に目を向けてもらいたいのが補助金または助成金制度です。事業に使う費用の一部について補助金や助成金が給付される制度のことで、上手に活用すれば事業に伴う金銭的リスクを軽減できます。今回は、薬局経営にも活用できる雇用や人材開発における制度をご紹介します。各補助金の詳細については、各説明文の下にあるリンク先にてそれぞれの詳細要件をご確認ください。

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薬局の雇用を助ける助成金

地方の調剤薬局経営者の中には、人件費に悩む方も多いのではないでしょうか。そこで提案したいのが、キャリアアップ助成金や特定就職困難者雇用開発助成金、企業内人材育成推進助成金など、薬剤師だけでなく事務スタッフなど、薬局で働く人材の雇用を助ける助成金です。経営する薬局の体制と照らし合わせながら、上手に助成金制度を活用する方法を模索しましょう。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金とは、「非正規労働者」の正社員化、人材育成、処遇改善などの取り組みに対して助成される制度です。最近は人手不足ということで、求人市場などでは売り手市場ともいわれています。転職が徐々に当たり前になりつつある中で、採用リスクを最低限に抑えて優秀な人材を育成、確保していくために利用したい制度です。非正規労働者にとっても、働き慣れている企業でのキャリアアップを目指すことがモチベーションにもつながります。

薬局経営者にとっては、社員の待遇が良くなることでモチベーションや生産性の向上が期待できるというメリットがあります。助成金を考慮したうえで社員と話し合えば、キャリアアップによる人件費の負担増も最小限に抑えられます。また、アルバイトスタッフから正社員採用をすることは、求人媒体を使用する必要もなく、採用活動や求人掲載のコストも削減できるというメリットがあると言えるでしょう。

キャリアアップ助成金の詳しい情報はこちら

企業内人材育成推進助成金

企業内人材育成推進助成金は、職業能力評価、キャリア・コンサルティングなどの人材育成制度を導入・実施し、継続して人材育成に取り組む事業主などに対して助成される制度で、原則として業種や企業規模を問わず受給することが可能な助成金です。人材不足が深刻化するなか、人材獲得、定着の効果が期待できる取り組みを支援する制度です。国の支援を受けながら人材を育成できるメリットは、薬局経営者にとって魅力的です。制度を適用して薬剤師や事務スタッフが知識やスキルを磨けば、仕事の質が向上して薬局にとってもプラスになります。また、研修やキャリア・コンサルティングを受けられることで社員の満足度も上がるでしょう。

企業内人材育成推進助成金の詳しい情報はこちら

トライアル雇用助成金

トライアル雇用とは、就業経験が少ない35歳未満の方や、長期間のブランクがある方(子育て、病気、介護などによって)を対象とする救済措置として設けられた制度です。労働者と企業が3ヶ月間の有期での雇用ができます。有期契約満了日において、企業・トライアル雇用対象者双方の合意があれば、その社員を正社員として雇用することも可能です。なお、助成金の支給はトライアル雇用が終了してからとなります。厚生労働省によると、トライアル雇用終了者の約8割が常用雇用へと移行されているようです。必ずしも正社員雇用をしなければならないというわけではなく、採用についての法的な強制はありません。また、トライアル雇用対象者には賃金を支払わなければなりませんし、労働基準法も適用されます。企業側にとって一番のメリットは、人材を確保しつつ助成金によって資金調達ができることです。トライアル雇用はあくまで試用雇用なので、本人の適性を見極められます。ミスマッチが起こりにくく、相互理解を得た労働者は長期の労働を見込むことができるというメリットがあります。

トライアル雇用助成金の詳しい情報はこちら

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金は、条件を満たした従業員を新たに雇い入れる事業者に支給される助成金です。

  1. ・高年齢者・障害者・母子家庭の母などの就職困難者を雇い入れる場合の「特定就職困難者コース」
  2. ・就職氷河期に正規雇用の機会を逃した人材を正規雇用する場合の「就職氷河期世代安定雇用実現コース」

この他にも、複数のコースが存在します。

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の詳しい情報はこちら

特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)の詳しい情報はこちら

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人材育成を後押しする助成金

人材育成にまでなかなか手が回せない薬局も多いのではないでしょうか。そこで、国の支援を受けて人材開発ができる助成金制度をご紹介します。若年者への訓練や労働生産性向上を促す訓練を実施したり、職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練を実施することで得られる助成金があることをご存知ですか? 優秀な人材を育てることができれば、それだけ業務は効率化され、経営の安定にもつながります。

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金とは、労働者のキャリア形成の促進を目的とした助成金のことです。近年、慢性的な人手不足を背景とした人材採用難から、自社内で人材を育成する必要性が増しています。人材開発支援助成金では、企業が従業員に対して職務に関わる専門的知識や技能獲得のための研修(訓練)を計画・実施した場合や、育成に向けた制度導入を行った場合に助成金が支給されます。実施にかかる経費などを補うことができるため、企業は人材育成に取り組みやすくなります。

人材育成に力を入れることで、労働者の能力や技術が向上するのはもちろんのこと、役職やキャリアアップへの意識が高まります。働き手の能力と意欲が高まれば、それは業績にも反映されると考えられるでしょう。

人材開発支援助成金の詳しい情報はこちら

両立支援等助成金

両立支援等助成金とは、従業員が働きながら育児や介護との両立を行える社内制度を導入するなど、女性の活躍推進のための取り組みを行う事業主を支援する制度です。仕事と家庭の両立とひと口に言っても両立が求められるシチュエーションは各家庭によって異なります。幼い子どもを育てるのと、高齢の親の介護をするのとでは仕事と家庭の比重も異なってきますから、それぞれの環境に合わせたコースが用意されています。

今回注目したいのは、育児休業等支援コースです。男性の育児休業支援もあり、男性従業員1人が育児休業すると最大72万円(2020年12月現在)が支給されるという条件は、優秀な薬剤師を手放したくない薬局経営者にとっては魅力でしょう。中小企業の場合、連続5日以上の育児休業でもらえるというのも嬉しい点です。

このコースではさらに「育休取得時」「職場復帰時」「代替要員確保時」「職場復帰支援」の4種類に分けることができます。薬局経営者は、それぞれの種類に合わせた条件を満たす必要があるので事前に確認しておきましょう。 

両立支援等助成金の詳しい情報はこちら

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新型コロナウイルスの感染拡大防止における補助金も

また、薬局などが取り組む新型コロナウイルスの感染拡大防止策に対する費用を補助する「医療機関・薬局等における感染拡大防止等支援事業」も2020年7月20日から申請がスタートしました。これは2021年第二次補正予算に盛り込まれた「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)緊急包括支援事業」の1つで、各都道府県が窓口になります。感染拡大防止対策に要する費用に加え、薬局内での感染拡大を防ぎながら地域で求められる医療を提供する体制を確保するための費用も幅広く補助の対象となります。新型コロナウイルス感染症患者の受け入れに関係なく、すべての保険薬局、指定訪問看護事業者が申請可能で、薬局が受けられる補助金の上限額は70万円となっています。対象経費には、自動精算機、オンライン診療システム、Web予約、Web問診といった院内システムの導入や清掃委託、洗濯委託、検査委託、寝具リース、感染性廃棄物処理、個人防護具の購入などが含まれます。経営者にとって嬉しいのが、2020年4月1日から2021年3月31日までにかかる費用は補助の対象となる点。つまり、来年3月31日までの今後の取り組みも概算で申請することができます。

今回の支援金は一般的な補助金と違い、事業計画についての審査は実質的に行われず、基準を満たしていれば原則としていったん支給されます。ただし事後に提出する実績報告について領収書などを基に照合を行い、支出額が支給額を下回った場合や目的外の使用と認定された場合は該当額の返還が求められるそうです。

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あなたの薬局にあった補助金活用を

また、国が進める「IT導入補助金2020」には、オンライン服薬指導ツールが多数認定されています。対象ツールを導入すると30万〜400万程度の補助金が期待できる制度です。また、2021年3月から開始されるオンライン資格確認についても、設備導入に関する費用の一部を補助金で補うことができます。新型コロナウイルスで中小企業を救済する国の動きもあり、新しい補助金制度が次々に登場しているので、こまめに情報収集しましょう。

こちらの記事もおすすめ
準備できていますか?医療保険の「オンライン資格確認」が2021年3月からスタート

今回ご紹介したとおり、薬局が利用できる補助金は多岐に渡ります。申請を面倒に感じるかもしれませんが、有効に利用すれば経営に余裕が生まれ、結果的にラクになるケースは少なくありません。とくに雇用や人材育成に高いハードルを感じる薬局経営者は多いのではないでしょうか。あなたの薬局に合った補助金制度の活用を考えてみることをおすすめします。

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※この記事は「CBnews」とのタイアップ企画です。

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